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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2013.05.20
 港町の記憶
2013052111.jpg
photo/焼津枕流亭・天野隆吉氏蔵
枕流亭(明治30年代)と日和橋(現江川橋)

日暮里駅から谷中霊園に向かう。霊園の桜並木を歩きながら、ふと足をとめたのは川上音二郎顕彰碑の台座のところだった。上部にあった銅像は戦中の金属供出で無くなっている。
川上音二郎と貞奴の数寄な人生をしばし反芻しながら、港町、焼津に想いを馳せる。(20130519)

枕流亭(港町の記憶)
●プロローグ

●三つの時代 

●港町・川上音二郎・ワールド紙
以下抄文

港町の記憶を辿る☆20130520
ニューヨークのワールド紙(1900年3月15日夕刊)

唐突だが、明治33年のことである。いまから113年前にワールド紙で公表された川上貞奴の「日本の恋愛」という興味深い記事をここに紹介しよう。
〈 私は、アメリカの女性に対して、日本の恋愛を語るのはとてもうれしいのですが、思うようにうまく表現できません。しかし、できるだけお話しましょう。日本とアメリカでは恋の仕方に相違があります。アメリカでは男女が恋愛するのは自由なのに、日本では女から恋を打ち明けることはできないのです。だから、日本の女性は恋を隠し、恋病になります。恋が打ち明けられなくて恋病となり、そのため死ぬものも珍しくありません。嘘かと思われるかもしれませんが、これは事実で、日本には男女の交際の自由はないのです。男女七才にして席を同じうせずとの厳しいおきてがありますので、日本の人々は、あまりしゃべらず堅苦しくなっています。私にはどちらがよいかわかりませんが、相違があるのは確かです。アメリカ婦人の恋愛の仕方について云々することはできませんが、日本婦人の恋愛は高尚で神聖なものだと思っています。
もし、日本の男女が恋愛におちいれば。百万ドルをもってしても、その愛をかえることはできず、また頭上に剣をかざして脅かしても愛の誓いをかえさせることはできません。自分の命をかけて、夫を救うことさえあるのです。日本には二夫にまみえないという固い道徳があって、女性はこの考え方で心から信じきっているので、その夫や恋人に忠実で貞淑になるのです。東京の有名な美しい芸者でタカオという人がいますが、この女の人は金持ちの大名に嫉妬のため殺されました。また、美妓・イマムラサキは金持ちで身分の高い役人からの結婚申し込みを拒んで、日本では一番身分の低い役人である恋人と結婚しました。日本婦人の恋は真心で貫かれています。地位や身分や金によって恋はしないのです 〉(訳・鈴木勲)
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