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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2012.10.26
 シャングリラへの旅☆20121026
307●
とにかく動いてしまう、動き始めることなんです。要するに、僕は、この授業で君らに、一人で歩き出せってことを言っている。無責任かもしれないが一人で歩き出せと。まっ、たぶん君らは卒業年次で進学する人もいるかもしれないけれど、これで就職しても、どういうところに就職するかによるけれど、なんかもう、刑務所みたいな感じがしないでもないよね。僕はひと月前にベトナムにいたから、これから、もう一度写真を見てもらおうと思っているけれど、あの雰囲気、トラフィックのごちゃごちゃした感じとか、人の目の輝きとか、ああいった世界から日本に帰ってくるとね、刑務所とまではいかなくても、ちょっとそれに近い感じはあるんだよね。全然違う。でね、そういう世界を、いろいろな状況があるにしても見ないっていうのはもったいない。
自分の目で世界を見ないで、これからどうやって自分を確立していくんだろうって思う。外に出るということは自分を語れることにつながる。自分自身の自我をつくろうと思ったらやっぱり外に出たほうがいい。今は自分自身が何もないから、自分をちゃんとつくってから外に出るとか言ってもダメね、就職してお金をためて自分の基盤をちゃんとつくってから、なんていってると、危ない気もするね。旅の中の風景を、ただひたすらに通過させて歩いている、偶然に偶然を重ねるように歩いている、そのうちに、自分が不意に見えてきたりすることもある。そういったことの中でしか自分というものは見えにくいし、身軽にもなれない。軽くっていうのは軽薄に、というのではなく、人間は軽快に行ったほうがいいんだよね。だからいろんな意味で距離感を出した方がいい。その中から自分を発見できる。
308●自分自身を構築する
こういったことを言うと差し障りがあるかもしれないね、せっかく就職決まったのに先生はそんなことを言う、けたぐり、かましている、それはそれとしてね、話として聞いておいてください。ほんとうの話だから。
要するに、君らは執行猶予がないんだよな。大学時代がそうだといえるかもしれないけれど、じっと見ているとね、僕ら以上に、時間がカリキュラムに裁断されていて、追われている感じが見受けられるのね。あっというまに卒業でしょう。卒業して自由が得られるかと言ったら、そういうわけにはいかない。とりあえず就職しないと安心できない弱い自分もいる。自分自身が安心できないから親も安心させられない。親を安心させたいといってほどほどにっていうのもいいけれど、何かを探している時代があってもいいんじゃないか。美大は夢や理想を強く持ってる人が止むに止まれず入ってくるところなんだろうな。真実を言うとね、大学はどうも昔と違って、たいした内容じゃないみたいね。執行猶予の時代になっていないみたい。だから学校を卒業して、自分自身のスタイルで、インターバルを7~8年とったほうがいいと思う。
僕自身もある意味でインターバルが欲しいという時期なんです。いろんな社会的な状況の中で、たくさんの仕事を抱えていて、仕事はやろうと思えばどんどんできる状態なんだが、意識的にトーンダウンさせている。40代というのは働き盛りという時代で、世間の同世代の人はバリバリ仕事をしていますね。あまり無責任にリタイアはできない、とは思っていますが、仕事を、ちょっと極端な言い方をしますが、仕事を放棄して非難されるよりも、自分の未来のための時間を失うということのほうが大きい。君らもある時期に適切に自分自身の生きるための、自分でリラックスして生きるための時間、見つめ直す時間、自分で確かめていく時間というものをとったほうがいいと思います。
いろんな情報がいろんなメディアを通じて氾濫しているけれど、やっぱり基本的には手考足思。自分の手で考え、足で思う。そのことを軸にして、自分というものを構築していったらいいんじゃないかなと僕は思います。
コメント
この記事へのコメント
トイレに貼ってさりげなく息子達に薦めます。
2012/10/27(土) 16:56:57 | URL | Yukiji #-[ 編集]
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