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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2012.10.19
 ユートピア便り☆02●路地が活きている
●路地が活きている
2011年の年末から年始にかけて、バシー海峡に浮かぶ小さな島を仲間たちと一緒に訪れた。
どこの海辺の片田舎にもありそうな風景だったけれど、よく見ると、日本にはもうなかなかなさそうだ。
まず、子供たちの目がすごく輝いている。素朴で屈託がなくのびのびしていて、動きがしなやかだ。彼らは一生懸命、体を鍛えて働いてもいるし、所狭しと野外で遊んでもいた。僕もついつい仲間入りして建設現場でコンクリートを久しぶりに捏ねてみた。
島の暮らしはとてもシンプルで、動物と共棲し、魚を捕り、植物を育て、つまり自然とともに生きているという穏やかなもののように見受けたが、台風の激しいシーズンにはきっとその脅威にさらされるのだろう。茅葺きの屋根が吹き飛び、垂木があらわになっている姿を見ると厳しい自然が想像できた。
そして、何よりも島の路上がバタネスの生活を物語っていたように思える。歩きながら、僕は大都会の日常では欠落してしまったものを深く噛み締めていた。
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