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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2012.07.06
 ウユガンゲストハウス
201207063.jpg
ウユガンゲストハウス★キバラ食堂。木蔭で往来を眺めながら朝食をとることができる。

One Street(Uyugan)

●ウユガンのランチ
バタン島のウユガンの村にはレストランがどこにもなかった。正確に言えば、その日、村の結婚式があって、その結婚式の当事者たちが唯一のレストランの人たちなので、閉まっていたようだ。そのレストランは、先発隊が食事をしていて、すごーーーく良かったよおおお、と自慢げに言うので、後発隊も行ってみなくてはーーー、ということになったのだが、当てが外れてしまった。当てが外れる、よくあることだ。
出遅れ隊は5名。さて、目当てのレストランがない時はどうするか? という課題に、まずぶつかる。
ジープニーで乗り合わせた親切な道先案内人の女性がいて、駄菓子屋さんを教えてくれた。なかなかいい場所だった。言い忘れたが、ウユガンは緑道がなんといっても素敵だった。その道は海に通じていて、往来する人たちはみんな親切で笑顔が絶えない。もちろん、鶏も犬も猫も自由に歩いていた。
僕は、そこで「そうだ!!! この道の木蔭をレストランにしよう」と咄嗟に思いつく。そして、すぐさま駄菓子屋の台所とトイレをリサーチした。もちろん冷蔵庫も。そして、冷えていないビールをすぐ冷蔵庫に入れて、いつものように食材を、あーして、こーして、とお願いするのである。おばちゃんは素直でにこにこしながら応対してくれて、その台所脇の食卓で昼食をとっていた近所のポリスまでがでてきて、道にテーブルや椅子のセッティングをしてくれる、というありがたい展開となった。「おいおい、おまわりさん、そんなに派手に道を占拠しちゃってもいいのかなあ」と思いつつ、つまり即座に、豊かなストリートレストランができあがったのである。店名は迷わずキバラ食堂に決定。
そしてひとしきり、食べ、飲み、その後にやおら描き始めるである。店のおばちゃんもポリスも近所の子供たちも集まってきてスケッチの筆運びを興味深く見学している。この時、描いた緑豊かな路地の絵は、こんな事情も加味されているのでずいぶん気にいっている。
描いた道というのは、本来こういうもんだよなあ、という感慨深い生活の道だった。道幅およそ3メートル。裏道では、青年たちがバスケットボールに興じている。

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