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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2012.02.11
 One Street(Uyugan)
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ウユガン★キバラ食堂。木蔭で往来を眺めながらランチをとることができる。レッドホースビールはもちろん飲める。スケッチを始めると村の子供たちが興味を持って集まってくる。

●ウユガンのランチ

ウユガンにはレストランがどこにもなかった。正確に言えば、その日、村の結婚式があって、その結婚式の当事者たちがレストランの人たちなので、閉まっていたようだ。そのレストランは、先発隊が食事をしていて、すごーーーく良かったよおおお、と自慢げに言うので、後発隊も行ってみなくてはーーー、ということになったのだが、当てが外れて至極残念だった。
出遅れ隊は、僕、K隊長、友香さん、角南さん、有地さんの5名。さて、目当てのレストランがない時はどうするか?という課題に、まずぶつかる。
ジープニーで乗り合わせた親切な道先案内人の女性がいて、駄菓子屋さんを教えてくれた。なかなかいい場所だった。言い忘れたが、ウユガンは緑道がなんといっても素敵だった。その道は海に通じていて、往来する人たちはみんな親切で笑顔が絶えない。鶏も犬も猫も自由に歩いていた。
僕は、そこで「そうだ!!!この道の木蔭をレストランにしよう」と咄嗟に思いつく。そして、すぐさま駄菓子屋の台所とトイレをリサーチした。もちろん冷蔵庫も。そして、冷えていないビールをすぐ冷蔵庫に入れて、いつものように食材を、あーしろ、こーしろ、と指示するのである。おばちゃんは素直でにこにこしながら応対してくれて、その台所脇の食卓で昼食をとっていたポリスまでがでてきて、道にテーブルや椅子のセッティングをしてくれる、というありがたい展開となった。つまり即座に、豊かなストリートレストランができあがったのである。店名は迷わずキバラ食堂に決定。
そして、食べながら、飲みながら描くのである。この時、描いた絵は、こんな事情も加味されているのでずいぶん気にいっている。
描いた道というのは、本来こういうもんだよなあ、という感慨深い生活の道だった。道幅およそ三メートル。

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道には鶏がのんびり歩いている。

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