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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2011.03.23
 山形の本屋で
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山形の本屋で「住む。」が平積みされてますよ。(市川友香)

02●不便で豊かな暮らし 
一水寮とは、言ってみれば不便な暮らしを楽しむ砦である。
まず、どのように不便なのか。節水状態は最近少しゆるめてしまったが、相変わらず最小限電気容量で、階段は少し傾き、すきま風は限りなく豊富。二階の台所は共同、一階の隅にある唯一のトイレも共同で、夜中に用を足す道のりは果てしなく遠い。個室の広さは3畳を基本とし、4畳半が最大。屋根は金属板で、夏はうだるように暑く、冬は凍えるように寒い。浴室はむろんシャワーもない。それでもほとんど手を入れていなかったので、最近、畳の表替えをしただけで住人たちから拍手喝采を浴びる始末である。
では、どのように豊かなのかというと、今どきこんな仄暗い空間にひっそりアナログ的に隠れ棲むという快感がある。しかも磨けば光る板廊下をぎしぎしさせて歩く風流な貧乏暮らしは滅多にない。銭湯暮らしもいいものだ。一部屋月1万5千円という家賃もギスギスした世に生きる心をなんとなく豊かにさせているようだ。
それに、なんといっても我が神楽坂建築塾の大広間(地方塾生の宿泊施設で10畳出窓付きの続き間)の存在が大きい。ここが一水寮のパブリックスペースになっているのである。住人や塾生たちがここで鍋をつついたり、魚浅のお魚に舌鼓を打ったりしてなごやかに集っている。時には、一水寮映画祭などという催しも開かれていたりする。いつからか一水寮図書コーナーも備わっている。
コメント
この記事へのコメント
節電のため、こちらでは計画停電があります。
日本で停電なんて、最近そうそうないのでみんな大変そうですが
トルコでは停電も断水も当たり前なので、停電を知らない息子達
にはよい体験だと思います。
テレビもなく、外は街灯もない月明かり。
真っ暗のなか、灯油ランタンと石油ストーブ・そしてラジオにろうそく。
暗闇のなかにゆらめく、ろうそくとランタンの灯りに
懐かしい想いがしました。
不便の中から、貴重な時間と空間が見えてくるのかもしれません。
2011/03/24(木) 23:03:06 | URL | きょーちゃん #1kSjzKlU[ 編集]
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