
著者/鈴木喜一
写真/宮本和義
日経BP出版センター刊/1995.10.27/四六版/190頁
本体価格2136円
ISBN4-8227-4036-6
【本書の「あとがき」より抜粋】
今、すべてを書き終えて、あとがきはいったい何を書いたらいいのか……、私は長い長い旅を終えた気分だ。書けなくて、進まなくて、途方に暮れて目の前に空白の荒野があらわれた時、一番頼りになったのは、旅の中でおこった偶然と偶然の連鎖の、その細部の無数の記録だった。そしてその後、ようやく私は語り始めることができたように思う。
絵も文章も自分の体を基盤にして表現するものだが、絵と文章はちがう。絵を描くことは楽しい。絵は陶酔であり、自然であり、生理的な行為なのだから。体全体を使うから解放感がともない疲労も心地良く、そして子供になれる。文章を書くことは、形をつくることで、プロットも構成も必要であり、頭脳がどうしても先行する。自分が歩いて感じたことをできるだけ加工しないで、しかも生き生きと伝えることは本当に難しいことだった。はたして本文で近代建築たちへの想いを伝えられたかどうか……。
また、語ることは危険を引き受けることだとも思っている。それでもなおよしとしよう。私は素直にこの本の中で日々を重ねたのだから……。
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