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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2010.01.24
 モロッコ☆1981-2010
『建築を中心にイベリア半島38日間』 (1982年) (あむかす・旅のメモシリーズ) より

モロッコ抄★
鈴木喜一のモロッコ日記

●1981年1月26日
Y氏を残して、コルドバの、暗い街路に出た。
Y氏-----バルセロナで落ちあうまで、再び旅の孤独を行って下さい。
朝7時30分のコルドバの道は夜道に近い。寒い。まだまだ手袋が欲しい季節だ。手元にある所持金は27pts。駅で一杯のコーヒーが飲めるだろうか。
旅の孤独が始まった。
RENFE*のストの為、8時9分発が10時になり、10時10分になっても列車は動こうとしない。1978年にもこの駅からマドリード(MADRID)に向かう時、何時間も待たされてたいへんな思いをしたが、またまた因縁の悪い駅になってしまった。その間、銀行でで70ドルを換金。1ペセタ(pts)=2.75円のレートである。少しフトコロがあたたかくなり、サンドイッチ、コーヒーを駅で腹に注ぎ込む。
10時15分、列車始動。あたたかい光がほっぺたに射してくる。青い空。
白い家。そして家並み。アノニマスな街の風貌。車窓は長閑な景色で満たされている。細長いスペイン瓦をのせた白い家はとてもいい建築だ。
列車はゆっくりとアルへシラスに向かって走る。静かに暮らしている人たちの白い住まい。その家は気の遠くなる長い時間をかけて石ころになり、さらに崩れて、そして自然の土に戻る。

*レンフェ(Renfe: Red Nacional de los Ferrocarriles Españoles)は、スペイン政府出資の鉄道会社
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