

美術塾の池田直之さんが早稲田でのスケッチの帰りに江戸川橋の地蔵通りにある浪花家のたいやきをおみやげに持ってきてくれた。「悠くんと歩ちゃんに」と。悠は甘い物が大好きだった。
温かいうちに家に持ち帰って「池田さんのおみやげだよ」と言って祭壇にあげた。浪花家のたいやきはおじさんが焼いていて、おばさんがはさみで余分な皮を切り取って袋や箱に入れてくれる。皮がパリッとして、さっぱりしたあんこがたくさん入っている。以前から江戸川橋の方に行った時には私もおみやげに買ってきた。悠と友達がいるのがわかっている時には少し多めに買っていくのだが、あっという間になくなってしまう。このたいやきは彼らにとって、袋物のお菓子とは違う特別なお菓子のイメージがあるようだった。悠はよく友達を家に連れてきて、屋根裏部屋や囲炉裏端で遊んでいた。男の子たちの楽しそうな笑い声がいつも部屋に満ちていた。(鈴木惇子)
[Story-01]●「ボロ家大改造」抄
「喜一くん、どうしたんだ」と再び僕の後ろで声がする。僕の背をとんとんと叩くのは10才になる息子の悠である。寝袋を手にしているのは友達の小野田クンである。最近、彼らはとても仲が良い。「今夜は二人で屋根裏に寝るんだ」と言って勝手口から土間へと元気に入っていった。
青空はもう夕暮れにさしかかっている。さあ、そろそろアトリエに戻ろう。
[Story-02]●「横寺日誌」抄
我が家で大活躍しているのがレンガを敷いた土間である。この土間は現在、台所、食堂、洗濯室、洗面、脱衣、勝手口、ユーティリィティーと多機能である。TVのない我が家の団欒はどうしてもここが中心となるようだ。
義父がいた頃、家の中心はやはり居間だった。ここで紅茶を飲みながら何となくおしゃべりするのが高橋家の日常だった。ところがいまのところ、この場所は悠と小野田クンのミニ四駆のレース場になっている……。
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「喜一くん、どうしたんだ」と再び僕の後ろで声がする。僕の背をとんとんと叩くのは10才になる息子の悠である。寝袋を手にしているのは友達の小野田クンである。最近、彼らはとても仲が良い。「今夜は二人で屋根裏に寝るんだ」と言って勝手口から土間へと元気に入っていった。
青空はもう夕暮れにさしかかっている。さあ、そろそろアトリエに戻ろう。
[Story-02]●「横寺日誌」抄
我が家で大活躍しているのがレンガを敷いた土間である。この土間は現在、台所、食堂、洗濯室、洗面、脱衣、勝手口、ユーティリィティーと多機能である。TVのない我が家の団欒はどうしてもここが中心となるようだ。
義父がいた頃、家の中心はやはり居間だった。ここで紅茶を飲みながら何となくおしゃべりするのが高橋家の日常だった。ところがいまのところ、この場所は悠と小野田クンのミニ四駆のレース場になっている……。
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