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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2012.12.08
 神楽坂建築塾懇親会
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時ちゃん、いつも大量に静岡物産ありがとう。

【時ちゃんの一言】
・あーあ、世の中、どーなっちまうんだろ
・保坂せんせ、お元気ですか?
・悠くん、なんとかしておくれよ

モダニズムの多様な貌(かお)

12月の建築塾の坐学は、「モダニズムの多様な貌(かお)」と題して、四人の講師にお話をうかがった。
今期の建築塾の通奏テーマ、ヴァナキュラリズムの大元であるヴァナキュラーに対して、モダニズムの空気をいっぱいに吸って活動を続けてきた講師陣がどのような展開でこの講座を進めるのか、個人的にも興味がつきなかった。
まず、保坂陽一郎氏は大学卒業後(或は、在学中か?)に多大な影響を受けた丹下健三と白井晟一の作風について興味深い話だった。丹下の「香川県庁舎」、白井の「松井田町役場」の事例を細かく説明していく中で、モダニズムの両極ともいえる1950年代の表現力の素晴らしさを垣間みることができた。まさにモダニズムの多様な貌(かお)の二つを紹介していただいた。
藤原成曉氏は、モダニズムの元祖とも呼ばれているコルビュジェの中に潜むヴァナキュラー的な要素の話。具体的にはコルビュジェの「カップマルタンの休暇小屋」を訪れた時の映像と野帳を見せてくれた。ものつくり大学の教授でもある彼は、この小屋をキャンパス内に実際に再現していて、そのプロセスも併せて説明してくれた。今度ぜひ、僕も一度訪れてみたい。講座中に、藤原氏からコルビュジェの印象的な言葉がいくつか紹介された。ここではその一つだけをあげておこう。「建築家になる前にすぐれた生活学者にならなければならない」
青山恭之氏は、1956年に建てられた谷口吉郎の「秩父セメント工場群」を訪れ、そこにモダニズムの合理の美を発見したくだりを語る。山並みの中にヴォールト屋根が連なっているどこかやさしげでもある風景は谷口吉郎の日本的な意匠ともあいまじり、どこか誇らしげな気分も漂っていたと語る。この工場群と秩父の山並みも、僕の中で、見ておきたいものとなってしまった夜だった。
進行役の佐奈芳勇氏は「そもそもヴァナキュラーの対立軸はモダニズムではないのでは?という観点もある」とも言っていた。
僕自身、昭和40年代の高度成長期に建築的な下地をつくってきたのだが、それは紛れもなくモダニズム(或は近代合理主義建築)の方向性だった。大学教育もそれに沿ったものが多かったが、かすかに、デザインサーベイというヴァナキュラー派に通じる好ましい動きが出てきたのが確か、昭和45年頃ではなかったかと記憶している。講座は時間を延長して白熱したが、中途で打ち切らざるを得ず、ヴァナキュラー、ヴァナキュラズムに通ずる展開は、また機会を改めてということになった。(20121208)


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