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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2012.10.07
 アイルランドのグリーンについての考察☆Éire-02
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アラン島へはロッサビール港から船で往復した。
三日間の宿泊は観光客としては最長だと現地ガイドが言っていた。
岩だらけの島は霧に包まれている日が多かった。
その岩の上にはかすかな土ぼこりのような土壌がある。
霧のおかげで草の生育はよく、馬や牛が少しだけ飼育されていて、じゃがいも畑も見た。

表土の上にやわらかい緑が覆う。そこに40種類のきれいなグリーンがある。
雨が多い。だが降水量は東京より少ない。
雨量は少ないが、シャワーのように小さな雨が降る。
つまり雨の降る日が多い国である。

一日の中に四季があるように思える。空の気配が刻々と変化する。
晴れたり、雨が降ったり、ヒョウが降ったり。
雨が降らなかったらラッキーと思え、という格言がアイルランドにはあるらしい。
そのアイルランド人は傘を持たない。
えりを立てて濡れたまま歩行を続ける。

石垣で囲われた畑とやわらかい牧草。
アラン島にはおよそ850人が住むという。
かつて訪ねた時の古い草葺きの家のパブはもう閉まっていた。
歩きながらこの場所の過酷な歴史を想像する。
断崖と白く青ざめた石、見渡す限りの空。
ここには静まりかえる大きな空虚も横たわっている。

アイルランドの雨とグリーンの関係☆Éire-01
霧のシャワー

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