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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2011.11.29
 《友からの手紙》 河北省承徳/中国
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小〓〓茶館(シャオトングアチャグア)

久し振りに劉衛民からの手紙が海を越えて届いた。
彼の日本名は鈴木喜二、そしてぼくの中国名は劉衛喜という間柄である。つまりぼくたちは兄弟のような友人である。……さて、この手紙の中にどんな近況が書かれているのだろうか。彼の便りの封を切る時、ぼくの顔はいつもほころんでしまう。
劉衛民は承徳医学院附属病院の漢方医で現在29才。ぼくは承徳を都合3回訪れているのだが、あの町の思い出は限りなく深い。忘れられない人たちでいっぱいである。その中でも劉衛民は特別である。ぼくは、ほころんだ顔のまま手紙を読み始める。おもしろい日本語である。

「余白も少なく慌ただしい毎日を迎えるに至りました。今の承徳はたいへん寒いです。東京はどうですか。その後、お元気ですか。
この前、あなたからの手紙を受けました。どうもありがとうございました。 今年はたいへん忙しかったです。なぜかというと、私は三冊の本の編纂に参加したからです。この三冊の本は『方剤大成』、『中医臓象学』、『実用中医臨床学』です。これらの本の中であわせて45万字ぐらい書きました。ですからずっと部屋の中で座って書いていました。たまに徹夜をもしました。このような能力も工夫の一種だと思います。いま私は10時間ぐらい書いても疲れた感じが少しもありません。さすが劉衛民です。
以前、私はずっと体を鍛えましたが、近ごろ忙しかったのでほとんど止めました。今ちょっと楽になったので始めたいと思います。以前たくさんのエネルギーを溜めたのでこんなに消耗しても、やはり元気です。
ずっと自分のことを言いましたが、ごめんなさい。あなたの具合はどうですか。象風一様(ショウフウイッショウ)、やはり風のように至るところ、飛んでいるでしょう。あなたが、ほんとうに特別の精力を持っていると感じます。
あなたの好きな『小〓〓茶館』(シャオトングアチャグア)はまだありますが、彼と私はあなたの来るのを、楽しんで待っています。ぜひ早く来て下さい。それでは一層のご自愛お祈りいたします。ご家族の皆様にもよろしくお伝え下さい」


最後に、劉衛民(鈴木喜二)、と記されている。
彼の手紙の内容は、ごらんのような近況報告と承徳への誘いなのだが、なぜか、ぼくの心をほっとさせ、温め、うれしくさせてくれるのである。そして、しばし承徳を思わせるのである。「海内存知己、天涯若眦〓」(世界に知る人がおれば遠いところも隣のようです)という中国のことわざの通りである。

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