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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2011.08.17
 201★武蔵野美術大学近代文明論
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201
★武蔵野美術大学近代文明論

●カルカッタ
この中にはインドに行った人がいるみたいですが......。石塚君だった? この前、彼と旅の話をちょっとしましたが、とりあえず今日と、それから5月いっぱいぐらいはインドを中心とした講座にして、後半の20分はそのスライドを見てもらいます。
今、インドの地図をコピーして配布しましたが、カルカッタ*というのは一番右の端です。
石塚君はカルカッタ、行ったんだよね?
「行きました」
最初に入ったのは?
「ボンべイから......」
ああそう、他にインドに行った人いるのかな、この中に。手をあげて。しばらくインドの写真をみんなに見てもらいますので、インドに行きたくなってしまう人もいるだろうし、あまり興味を示さない人もいるかもしれない。どんな反応になるか、僕自身もちょっと楽しみ。
じゃあ、この中でインドに興味があるっていう人、どれくらいいるのかな。漠然と興味があるっていう人でもいいよ、手をあげて。ずいぶんいるね。
カルカッタの話ですよね。石塚君は帰りにカルカッタだったらしいんだが、インドの入り方は大きくわけて三つある。一つはボンベイ*、石塚君はボンベイから入った。ボンべイ、デリー、それからカルカッタ、この三つのルートがある。僕はカルカッタから入ったんですね。その理由がいくつかある。
一つの大きな理由はカルカッタから入るのが一番安い。その当時、1983年ですが、往復で11万2千円だったと思うけれど、今はどれくらいするんだ?ボンベイから入って?
「15万ぐらい」
あまり変わってないんだな。まず経済的にカルカッタが一番安かった。それから、僕の周りの友人たちに止められたということがあるんだね。インドに入る時はカルカッタは避けたほうがいいよ、って友人から軽く言われた。どうして?と聞いたら、答えは単純に言うと、カルチャー・ショックが大き過ぎるらしい。まあ、ボンベイが一番経済的にも強いし、近代化されていてインドの中では旅をしやすい土地だから、スラムも抱えているが、建物も立派だし、それなりにホテルもあるし、その辺りでじわじわと体勢を慣らしていくのがいいだろうってね。
あるいは、デリーから入るのがいいと言われた。ちょっと高いけれどその方がいいよと。カルカッタはハードだ、と言うんだ。
そういうこと言うんだったら、カルカッタに行ってみたいなっていうのが僕なわけ。天の邪鬼なのかな。二つ目の理由は、一昨日ですか、サタジット・レイという映画監督が亡くなってしまいましたね、70歳で。いくつかの映画を見ているんですけれど、その中で『大地のうた』という映像詩のような映画があるんです。これが三部作になっていて、あと『大河のうた』、それから『大樹のうた』と続くんですが、ベンガルの田舎のつましい一家を主役にして、インドの社会における家族ドラマを描いているんです。たぶんこれは、岩波ホールあたりで追悼上映をやるはずだから、ぜひみんな見たらいいと思います。そのレイ監督が生まれた所が、カルカッタ。
三つめは、詩人で、何年か前に池袋のセゾン美術館で展覧会をしたことがあるんですが、タゴールという人に僕は若干憧れているということがあるんだな。彼もカルカッタに生まれた。サタジット・レイとかタゴールが生まれた町ってどんな場所なんだろうという興味があった。

●サタジット・レイ(Satyajit Ray, 1921年 - 1992年4月23日)
インド東部の大都市コルカタ(=カルカッタ/Calcutta)出身。インドを代表する映画監督、小説家。
●タゴール(Sir Rabindranath Tagore, 1861年 - 1941年)
インドの詩聖 、思想家。インド国歌及びバングラデシュ国歌の作詞・作曲者で、タゴール国際大学の設立者。