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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2008.12.23
 村上正剛の名解説☆水入りの一番

キューバ場所は喜一山にとって横綱が懸る引くに引けない場所。ロケーションもカリブ海のかなり強い潮風が吹きつけ白波が打ち寄せる砂浜。汀=水際=みぎわ場所。ここでの大一番は、その名にたがわぬ水ぎわの「背水の陣」。四股(しこ)を踏めばその足がめり込む砂地ゆえ、たとえ土俵に叩きつけられてもこたえぬか。
両者立ち上がるも、以外に手と手をかみ合せての「片手四つ」の立会い。なんでもどこからでも受けて立つ喜一山の心意気。だがこれは手足の長い宮井山の思う壺。その姿勢で相手をさぐる攻防は蜘蛛のケンカに似ていなくもない。やや両者接近して組み合うも、頭と頭を付け合っての「頭四つ」、首相撲どまり。すぐまた離れて手四つに戻る。時折り宮井は長躯にも似合ぬ柔らかい体で、腰を落とし低く潜り込むので油断は禁物。やや焦れて喜一が接近戦を挑めば、長い手を伸ばして足取りにくる。膠着状態で時間は過ぎる。
機を見て宮井、また飛び込んで双手刈り(もろてがり)を狙う。この技は北京五輪の日本選手団旗手・柔道の鈴木が、相手のモンゴルの選手に完膚なきまでに晴れの大舞台で叩き付けられ番狂わせの敗退を喫した荒ワザだが、互いの体が離れていてはまずかからない、、、、
その後も両者組み合ってもガップリとはならず、片手四つの単発技でのやりとりに終始。ついに2分40秒の時間が経過し行司、近来稀な「水入り」を宣告。喜一山、横綱取り持ち越し。