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旅する建築家
鈴木喜一の

大地の家
2006.07.06
 神楽坂建築塾2006☆7
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今月は阿久井喜孝氏を迎え、東アジア照葉樹林文化圏の伝統的木造建築の源流に迫る。デザインサーベイ(集落実測調査)からいったいどんなことがわかってくるのか、また風土や民族によってどのように建築は変化するのか、東アジアの住居に価値観や技術などの共通点はあるか……、阿久井氏の豊富な体験と深い知識の中での講義となる。

YA●古来、建築とくに住居は、立地の風土や環境条件、それに由来する民族性や生活様式を無視しては成り立ち得なかったものです。
KS●そうですね。現在の日本にみられるような、どこにいっても同じような画一的な住まいの風景はなかった。
YA●近代工業化社会の成立以来、建築においては、風土性を無視した無国籍な様式が普及し、市場経済をも左右する使い捨ての消費財と化し、人間が住む器としての役割は急速に失われていった。
KS●ファッションとしてのコマーシャリズム建築やバーチャルリアリズム空間を時代の象徴的表現であると肯定してしまえば別ですが、その歪みが社会教育やコミニュティに到るまで深刻な影響を露わにしていますね。
YA●最今、価値観の転換が叫ばれています。そのような観点から、若い時分より「風土的な建築」に関心を抱いていた私は、この十数年来、毎年、東アジア各地の伝統民家や集落のフィールド調査を重ねてきました。
KS●僕と旅とかぶります。
YA●そうですか。対象とした範囲は主として「照葉樹林文化圏」といわれる中国南部からブータンに到る諸地域で、日本文化の基層ともいわれる稲作文化圏に重なっています。この作業は、風土性・民族性と建築のかかわり方を学び、モダニズムの価値観を再考する手懸りを探るという意味に加え、日本の伝統建築のルーツを辿るという興味にも繋がっているのです。
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