篭に乗ったというとなんか大名みたいだなって思うかもしれないけれど、実はそんなんじゃない。ネパールの山村でも当然のことながら人が生きてる。そして当たり前だけれど病人が出るんですよ。おじいさんやおばあさんだけでなく、たいへんな病人もいて、そんな小さな村には病院や診療所がない。近くのポカラの町までどうしても病人を運ばないといけない。若い頑健な男が病人を背負って篭に入れて何日も歩いてポカラの病院に行くという、その篭なんですね。僕が乗った篭は、いわゆる大名の篭じゃなくて、もう死にかけた病人を運ぶ篭だった。
その篭をもう少し何とか乗りやすく、僕はまだ死にかけていませんから、ちょっと乗り心地よく改良した篭に乗って運んでもらった。急な山道や岩場は若い屈強な男に運んでもらって、なだらかなところはゆっくり牛のような速度で歩いていたということなんです、事実は。
ヒマラヤはスケールが雄大で、いろんなことを考えるにはとてもいい舞台だった。穏やかな風景だけではなく、もう雨季にさしかかっていたと言いましたけれど、夕方になると、だいたい三時頃になると雲行きが怪しくなって雨が降る。その雨も、夏だからということもあるんですが、大きなヒョウが降る。小指の先くらいの六角形の結晶がバタバタバタッときて、稲妻が走る。その稲妻は下から上に向かってピカッとくるのね。これはなかなかの迫力です。しばらくして雷鳴が轟く。僕は篭の上にビニールの傘をつけてもらってね、篭の中で、それを見たり聴いたりしていた。
究極の乗り物
その篭をもう少し何とか乗りやすく、僕はまだ死にかけていませんから、ちょっと乗り心地よく改良した篭に乗って運んでもらった。急な山道や岩場は若い屈強な男に運んでもらって、なだらかなところはゆっくり牛のような速度で歩いていたということなんです、事実は。
ヒマラヤはスケールが雄大で、いろんなことを考えるにはとてもいい舞台だった。穏やかな風景だけではなく、もう雨季にさしかかっていたと言いましたけれど、夕方になると、だいたい三時頃になると雲行きが怪しくなって雨が降る。その雨も、夏だからということもあるんですが、大きなヒョウが降る。小指の先くらいの六角形の結晶がバタバタバタッときて、稲妻が走る。その稲妻は下から上に向かってピカッとくるのね。これはなかなかの迫力です。しばらくして雷鳴が轟く。僕は篭の上にビニールの傘をつけてもらってね、篭の中で、それを見たり聴いたりしていた。
究極の乗り物































